自己評価維持モデル
〜友達の成功に嫉妬してしまう心理

自分を差し置いて同僚が出世したことが面白くない……
密かに憧れていた先輩と付き合いだしたあの子のことが気に入らない……
友達の成功を素直に喜ぶことができない…… 

そんな風に他人に対して嫉妬心のようなものを感じた経験は、きっと誰にだって一度くらいはあるはずです。

場合によっては、「あいつは実力が無いくせに、上司へのごますりだけは凄いから……」「 あの子はおとなしそうな顔をしているけど実は男好きだから……」などと陰口を言ったり、足を引っ張るようなことをした経験だってあるかもしれません。

そしてそんな時は、「人の成功を喜べないどころか、嫉妬すらしてしまうなんて……。なんて自分は心が狭いんだ!!」と自己嫌悪におちいったかもしれません。

しかし、それはある意味仕方のないことなのかもしれません。人間が持つ心のメカニズムがそうさせてしまうからです。 

そのメカニズムとは、心理学者のテッサーによって提唱された「自己評価維持モデル」というものです。

以下で詳しく見ていきましょう。

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自己評価維持モデルとは 

「自己評価維持モデル」とは、人はポジティブな自己評価を維持するために、他人の行動を称賛したり批判したりするというもの。 人はポジティブな自己評価を維持する(つまり自分は価値ある人間だと思いたい)ために次のような反応を示します。

自己評価が上がるような事柄であれば素直に受け入れ称賛する。
自己評価を下げるような事柄に対しては拒否し抵抗する。

具体的には、自分を差し置いて同僚が出世するのが許せないと感じるのは、それによって自己評価が下がると感じているからです。

逆に、例えば同級生が何かで成功して有名人になったら、その存在を誇らしく感じて他人に自慢したくなるでしょう。それは、それによって自己評価が上がると感じているからというわけです。 

どちらも他人の成功という点では全く同じ出来事なのに、受け取り方が180度違います。一方は、他人の成功が自分の価値を下げると感じている。しかし、もう一方は、他人の成功が自分の価値を上げると考えているわけです。

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自己評価維持モデルの3つの要因

自己評価維持モデルでは、「他者との心理的距離」「課題の関連性」「他者の遂行レベル」という3つの要因で自己評価を行うと考えます。 これらの違いが、私たちの反応の違いを生み出すのです。

つまり、身近な人間(心理的距離)が、自分が熱心に取り組んでいるもの(課題の関連性)を自分より上手くできる(他者の遂行レベル)場合、それでは自分の立場がない(自己評価を下げる)と感じるわけです。 

先ほどの例にあった「同僚の出世」はまさにこの状態にありました。身近な存在で、同じ課題に取り組んでいて、相手が自分より評価されていたわけです。 そうなると、その人は自己評価が低下する危機感から同僚に対して「嫉妬心」を抱き、足を引っ張ったり、おとしめるようなことを言ったりして、何とか自己評価を維持しようとする心のメカニズムが発動するわけです。 

ちなみに、有名人の同級生を誇らしく感じるのは、「課題の関連性」が低いからです。 心理的距離が近くても、課題の関連性が低い場合、その遂行レベルが高いと、むしろ自己評価が上がると感じるのです。 

たとえば、自分が普通の会社員をしていて、同級生がオリンピックで金メダルを取ったとします。 自分にとってあまりこだわりの無いテーマで、身近な誰かが成功したという状態です。こうなると、おそらくその人を褒め称え素直に喜ぶことができるでしょう。きっとそれだけでなく、他の誰かに「あの人私の同級生なんだよ」などと言いたくてたまらなくなるかもしれません。

しかし、もし自分も同級生と同じくオリンピックを目指していたら、きっと自己評価は脅威にさらされるでしょう。素直に喜ぶこともできず、自分が得られなかった賞賛を妬む気持ちが生まれてしまうかもしれません。 

「自己評価維持モデル」をまとめると以下のような図になります。

同じ夢を抱いて励まし合いながら頑張っていた親友同士でも、一方が成功すると急に疎遠になってしまうことが良くあります。そうした現象もこれで理解できるはずです。

取り残された方は、どうしても相手に対して嫉妬心のようなものを感じてしまうのです。

まとめ

もう一度確認しておきましょう。 自己評価維持モデルで、判断の基準となるのは次の3つの要因です。 

他者との心理的距離
課題の関連性
他者の遂行レベル 

私たち人間には、こういった傾向があることを知っておきましょう。そしてそれに飲み込まれないようにしましょう。

本来は、他人の成功に心を奪われてマイナス思考に陥っている暇があったら、黙々と自分の成功へ向かって努力すべきなのです。

他人の成功と自分の成功を比べて一喜一憂しても意味のないことだということを忘れないようにしましょう。

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