守破離(しゅはり)の本当の意味
「守破離(しゅはり)」とは、武道、茶道、芸術、スポーツなどにおける修業の理想的なプロセスを3段階で示したもの。
「守」は、師や流派の教え、型などを忠実に守り、確実に身につける段階。
初心者は通常まずこのステップから始めることになります。
次にそれを「破」る時期、否定しなければならないときがやってきます。
良いものを取り入れ、自分に合った型をつくることにより既存の型を「破る」段階です。
そして最後は師や流派から「離」れて自分なりの独自の表現をする時期がやってきます。新しいものを生み出し確立させていく段階です。
以下で、「守破離」についてさらに解説していきます。
目次
何事も守破離を繰り返すことで卓越する
この「守破離」の考え方は、武道、茶道、芸術だけでなく、スポーツ、仕事、勉強、遊び、おおよそ世の中の全ての技術の習得において当てはめることができます。
成功する人は必ずこの「守破離」のプロセスを回しています。
これをせずに成功する人などいないと言っても過言ではありません。
守破離の目安
マルコム・グラドウェル氏が提唱した法則(「天才! 成功する人々の法則」)で、偉大な成功を収めた起業家や世界的に有名なスポーツ選手など何かの分野で天才と呼ばれるようになる人達に共通しているのは、1万時間以上それに打ち込んでいるということだそうです。
「ただやらされる」のではなく、全力で打ち込んで1万時間です。
1万時間というと膨大な時間のように思えますが、1日9時間なら3年です。「石の上にも三年」とはよく言ったものです。
3年間一心不乱に打ち込むことができれば、「天才」と呼ばれる域に達することができるというのであれば、何だかイケそうな気もします。
実際には、いかにそれだけ同じことを継続することが難しいかということなのかも知れませんが、3年間は我慢して徹底的に基礎を身につけるなどすれば、あなたも「天才」の仲間入りです。
悪い話ではないと思いませんか?
難易度にもよりますが、3年間というのは「守破離」の一つの目安となるでしょう。
「型があるから型破り、型がなければ形無し」
天才と凡人とを隔てる、大きな違いがあるとしたら「基本をおろそかにする」ことです。 上記の通り、天才はたゆまぬ努力に裏打ちされています。
しかし、凡人は割と早い段階で基礎練習に飽きてしまってそれをおろそかにしてしまいます。
「毎日毎日こんなことばかりやってられっか!」
「俺は俺にしかできないことをやるんだ!」
という感じです。
天才落語家と呼ばれた立川談志氏が言ったとされる言葉に次のものがあります。
「型ができてない者が芝居をすると型なしになる。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか? 結論をいえば型をつくるには稽古しかないんだ」(「赤めだか」立川談春)
守破離とモチベーション
仕事においても、勉強においても、自分がいま「守破離」のどの段階にいるのか考えてみることは役に立ちます。
難しいものであればあるほど、それを習得して自分のものにするまでには時間や労力がかかります。
毎日同じようなことの繰り返しでモチベーションが下がってきたら、今やっていることに何となく反発したくなったら、守破離のプロセスを思い出してみましょう。
「守」の段階にあるときは、自分を押し殺して型を学ぶことに専念しましょう。
「破」の段階にあるときは、思い切ってこれまでの自分の枠を飛び出してみましょう。
「離」の段階にあるときは、心を鬼にして師から離れましょう。
それがプロフェッショナルへの唯一の道です。
まとめ
「守破離(しゅはり)」とは修業の理想的なプロセスを3段階で示したもの。
「守」は師の教えや型などを忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」は既存の型を「破り」新しいものを取り入れる段階。
「離」は師から離れ自分なりのものを生み出し確立させていく段階。
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