怠ける心理
「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」とは?

社会的手抜きとは?

人間は集団で仕事をします。なぜなら、みんなで力を合わせれば仕事も早いし、より多くのことが可能になるからです。

しかし、人間は集団になると怠け、一人で作業するよりも一人当たりの効率はかえって低下するということがわかっています。
これを「社会的手抜き」といいます。

誰もが経験あるはずです。 会社や学校、イベントなどにおいて、みんなで何かをしようとした時には必ずサボるヤツがいたはずです。
思い出してみれば、自分自身も集団の中で常に100%の力を出してきた、とは言い切れないでしょう。

そこには共同作業の落とし穴「誰かがやるだろう」という考えがあります。
他にも参加している人がいる場合、「何も自分が頑張らなくても誰かがやるだろう」と責任感が薄れがちです。
結局、それによって一人一人の労力は低下してしまうというわけです。 

また、他の参加者が有能である場合、自分が努力してもその成果はあまり目立たない、「そんな中で努力しても報われない」と考え手を抜くというケース。

逆に、他の参加者が不熱心な場合、「自分一人頑張ってもバカらしいのでサボってしまおう」と考えるケースなどもこれに該当します。

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リンゲルマンの実験

1913年に、ドイツのリンゲルマンという農学者が綱引きでの牽引力を測定する実験を行いました。

その結果,1人だけで綱を引いた時の力を100%とすると、2人で引っ張ると1人当たり93%、5人では70%、8人では半分になってしまうことが分かりました。

これにより、「集団で作業を行う場合、メンバーの人数が増えれば増えるほど1人あたりの貢献度が低下する」という現象が確認されたのです。
人が増えると無意識に手を抜くこの心理現象が、「社会的手抜き」あるいは「リンゲルマン効果」と呼ばれています。

Eテレの実験

2015年にNHK Eテレで放送された「大心理学実験」でも同様の実験が行われました。

まず、ボディービルダー5名が「停車したトラックを縄で引っ張る」という実験。
一人ずつチャレンジした場合、平均106kgの牽引力を発揮。
3人で一緒にチャレンジした場合、平均100kgの牽引力になった(6%減少!)。
5人で一緒にチャレンジした場合、平均97kgまで牽引力が下がった(さらに手を抜いた!)。 

別の5人(大学のサッカー部員)でも同様の実験結果となり、ここでも先ほどのリンゲルマンの実験と同じ結果が得られました。 

しかし、ここで興味深いのはこの後の実験です。 

その道のプロは手を抜くのか?

綱引きのプロである綱引き連盟の人たちで同様の綱引き実験を行なった場合どうなるのか?を検証。
その道のエキスパートと呼ばれる人たちでも社会的手抜きが発生するのでしょうか?

実験の結果、同様に1人→3人→5人と試してみても、一人あたりの力は全く低下しませんでした。

要因はいくつか考えられますが、集団になれば必ず社会的手抜きが起こるわけではないということがわかりました。

普通の人でも手を抜かない仕組み

また、普通の人でも社会的手抜きをしなくなる方法はあるのか?という検証では、綱引きを応援してくれるチアリーダーを投入。
「がんばって〜♪」とトラックを引っ張る人たちを応援するとどうなるかが検証されました。

その結果、最初のボディビルダーのチームは、チアリーダー投入後、5人でも一人の時と同等の力を発揮
社会的手抜きが消え、力が戻りました。単純なものですね。 

また、2番目の大学のサッカー部員のチームに対しては、「特定の一人だけの名前を呼んで応援」するという、さらに一捻り加えた実験が試みられました。

その結果、その応援された一人の部員だけは手抜きをせずに頑張ったものの、他の部員はさらに手を抜いてしまうという結果に(これもわかりやすい!)。

社会的手抜きを防ぐために

現実の社会では、チアリーダーを常に傍に配置するのは不可能ですから、上司や同僚、家族や仲間がその役割をうまく担うことができれば、社会的手抜きは防げるということになるはずです。

私たちが集団の中でも手を抜かず頑張るには、自分のことを見てくれている誰か、応援してくれている誰かの存在、または自分の頑張りを適切に評価してくれるシステムといったものが必要不可欠というわけです。

他にも、「課題を魅力あるものにする」「その集団に属していることへの魅了を高める」といったことも、社会的手抜きを防ぐ効果があります。

まとめ

「人は集団になると手を抜く」。この「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」と呼ばれる心理現象は、この先も集団で何かをしようとすれば必ず付いて回る問題です。

しかし、ちょっとした仕掛けでそれは回避することも可能だと、今回紹介した実験が示してくれました。
最大のパフォーマンスを発揮させたい集団、もしくは自分自身に向けて、何かヒントになることもあったのではないでしょうか。

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