働く意味
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コラム:働く意味、なんのために働くのか?

働く意味

「働く意味ってなんだろう?」「なぜ働かなくてはいけないんだろう?」そんな疑問がふと湧いてくることがあります。

生きていくために必死に働いていた時代、少しでも豊かな暮らしをするために一心不乱に働いていた時代なら考えもしなかった疑問かもしれません。

でも、日本は経済的に豊かになり、職業や生き方も自由に選択できるようになりました。

自分に向いている仕事、自分がやりたい仕事がわからない時、仕事に目的ややり甲斐を見出せない時、私たちは働くことについてそんな根本的な疑問にぶち当たるような気がします。

生きるためには食べなければならない、食べるためには稼がなければならない、そのためには仕事をしなければならない、この「しなければ」の繰り返しが、大人の言うところの「生活」だ。
しなければならなくてする生活、生きなければならなくて生きる人生なんかが、どうして楽しいものであるだろう。 (池田晶子(14歳からの哲学))

ただ「働かなければならない」だけでは「働く意味」は見出せない、、、

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仕事=お金?

仕事には当然その対価としてお金をもらうという意味があります。我々はそのお金で生活するわけですから、「働く=お金」というのは一つの側面であることは間違いありません。
ただし、それだけでないところに悩みのタネがあります。

例えばビルゲイツなど世界の富豪たちはもう生涯使い切れないほどのお金を持っていますが、それでも精力的に仕事をしています。また、ボランティアやNPOなど働いた報酬が「お金」としてはあまり入ってこなくてもイキイキと働いている人たちがいます。

彼らにとっては「働く」とは「お金」だけではなさそうです。どちらかというと「働いた結果であるお金」よりも「働き」そのものに充実感を感じているように見えます。

つまり、働くとは「お金+何か」ということになるのでしょう。

では、「何か」とは何でしょう。「働く意味」を考える人はその「何か」を探しているのかもしれません。

やりたいことを仕事にする

成功した人の中には「自分がやりたいこと、好きなことを仕事にすればいい」なんていう人もいます。確かに好きなことを仕事にできればベストな気がします。

でも、現実的にはこの言葉をそのまま無邪気に信じるわけにはいきません。一言で「好きな仕事」と言っても、その中には多くの「好きじゃない仕事」も含まれていますし、そもそも本当に「自分がやりたいこと、好きなこと」って何なのか簡単にはわからないから困っているわけです。

たとえば、漫画が好きだからといって漫画家を目指せば良いかというとそう簡単ではありません。

漫画を読むのが好きなのか、描くのが好きなのか、特定の漫画や作家が好きなのか、キャラクターが好きなのか、キャラクターのコスプレをするのが好きなのか、一口で漫画が好きといっても様々な「好き」が存在しています。

「好き」だからといって、それが求めている「何か」を与えてくれるものになるとは限りません。

やりたい仕事とやりたくない仕事

やりたい仕事とやりたくない仕事

そしてもちろん、好きだとしても才能や能力があるかどうかはまた別問題です。つまりそれで食べていけるかということです。

やりたくてもできない仕事があるのも現実です。

運良くやりたい仕事が見つかってその仕事につけたとしても、その中には「やりたくない仕事」もたくさん含まれます。料理が好きで一流レストランで働くことができたとしても、数年間は雑用しかやらせてもらえないのが普通です。やりたくない仕事をしっかりやりきった者だけに「やりたい仕事」をやれるチャンスが巡ってきます。

やりたい仕事ってなんだ?

でも、「自分が本当にやりたい仕事ってなんだろう?」ハッキリしている人もいるかもしれませんが、きっと良くわからない人のほうが多いんじゃないでしょうか。

そもそもやりたいことなんてはじめてみないとわかりません。職業経験がほとんどない若者ならなおさら「本当にやりたいこと」なんてわかったらおかしい。
興味があるからやるというよりは、やるから興味が湧いてくるという場合がどうも多いようです。

確かに、例えば街中で見かける警備員や清掃作業員の中にもイキイキと働いている人たちがいますが、もともと「警備が好きだ」「掃除を仕事にしたい」などと思っていた人は少ないような気がします。

好きだからやったというより、真剣に取り組んで手応えを感じたからこそ面白くなって、好きになっていったというのが本当ではないでしょうか。

情熱もなく、仕事もなく、楽しみもなく、精神の集中もなく、完全な休息状態にあるほど、人間にとって耐えられないことはない。 (パスカル「パンセ」より)

一生遊んで暮らすは幸せ?

もし働く必要がなかったとしたら、人間は働かなくなるのでしょうか?
例えば、テレビの前に一日中座って一生を過ごす。毎日贅沢三昧の食事をしてあとは寝て過ごす。ーーー

そうしてひたすら消費していくだけでそこに幸せを感じられるでしょうか?
きっと最初の数週間は楽しいでしょう。今まで「やらなければならなかったこと」から解放されて自由になるわけですから。

でも、その生活は「楽」ではあるかもしれませんが、きっと「充実」してはいないでしょう。そして毎日楽してブラブラしているだけでは物足りなくなってくるでしょう。
人は本能的に楽な人生を生きたいというより、充実した人生を送りたいと願っているものです。

そして、充実感とは「何かを達成したり」「何か意味あることに自分を活かすことができたり」「人の役に立ったり喜ばれたり」した時に感じるものです。

工程に様々な工夫を凝らし知的障害者を雇用してチョークを作り続けている日本理化学工業(株)の大山会長は働く幸せについて次のように語っています。

「人間の究極の幸せは、人に愛されること、人に褒められること、人の役にたつこと、人から必要とされること。働くことによって、この4つの幸せを得ることができる。」

労働か仕事か

労働から仕事へ

どうやら人間には、「働く」ことからしか得ることのできない充実感や満足感がありそうです。

とはいえ、日々の仕事の中にそんな幸せは感じられないかもしれません。

「働くことがお金を稼ぐ手段にすぎない時、それはただの労働であり、働くことがお金を稼ぐ手段だけではない時、働くことそのものの中に喜びや生き甲斐や自分の人生の目的を込められるとき、それは仕事になる。」と言われます。

ただ受け身でやらされているだけの労働を越えて、そこに何かを見いだすことができるようになるか、そこに大きな隔たりがありそうです。それを乗り越えることができるかどうか。そこに、「働く意味」を見出せるかどうかのポイントがありそうです。

あるタクシードライバーは、止まる位置などあらゆることを工夫して、予約で一杯になる人気ドライバーになったそうです。彼は、タクシードライバーという仕事に働く意味を見出して飛び込んだというより、そこで自分なりに創意工夫することで、人に喜ばれ、役にたつという働く意味を獲得することができた。つまり、意味は後からついてきた。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」と問われた時、ある人は「私にとって仕事とは愛の表現です」と答えました。また「情熱」や「成長」をそこに見出す人も多いでしょう。
彼らにとっての仕事とはもはや単なる労働ではなさそうです。

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ここではないどこか

人間誰しも「ここではないどこか」に憧れます。隣の芝生は青く見えるものです。今とは違うどこかに「本当の自分の居場所」があるんじゃないかと思うことは誰にでもあることでしょう。

もちろん、より良い場所を探すことは大事なことだし、今の場所が本当に自分に向いていなければそこを離れる必要があります。ブラック企業などと言われるような会社からは一刻も早く逃げ出さなくてはいけません。

ただし、ただやみくもに「嫌だから違う場所」といって永遠の自分探しを続けているのであれば、それだけでは何も変わりません。何度転職を続けても働く場所が変わっただけで、主人公は全く変わらず同じ物語を続けているだけということもあります。

「ここではないどこかで、いつか始まるであろう物語」をただ夢見るだけでなく、まずは「今ここで、自分の物語」にしっかり目を向け、そこから始める意識も大切です。

イキイキと働く方法

マネジメントの発明者とも言われているドラッカーは、自分の「強み」「仕事の仕方」「価値観」という三つの問題に答えが出れば、卓越した仕事ができると言っています。そして、そこから充実感と自信が生まれるとも。
これこそ「働く意味」をそこに見出している状態と言えるかもしれません。

強みについては、「何事かを成し遂げるのは強みによってであって、弱みによって何かを行うことはできない」と言っています。そして、弱みを改善するのではなく、強みに集中してそれをさらに伸ばすようにと言っています。

仕事の仕方とは、一人でやるか誰かとやるか、大きな組織と小さな組織どちらのほうが力を発揮できるか、意思決定者と補佐役ではどちらのほうが成果を上げられるか、安定した環境か緊張感のある環境どちらのほうが向いているか、など自分に向いた仕事の仕方のことを指します。

価値観とは、「人とのつながり」や「達成」など自分が大事にしたいと思っている信念のようなものです。

ちなみに、自分の強みと価値観はそれぞれが合わないこともあるが、そんな時は価値観を優先すべきだと言います。ドラッカー自身も金融業界で自分の強みを発揮して成功していたが、そこに価値を見出せなくなり仕事を辞めたことがあるそうです。

14の労働価値

ドナルド・E・スーパーは「仕事に何を求めているか」という点に関して14の労働価値を示しました。上記のドラッカーの話でいうと「仕事の仕方」や「価値観」に該当するでしょうか。
1位から14位まで順位づけしたり、上位の3個と下位の1〜2個をピックアップしてみる、などすると自分自身の価値観を知る上で参考になるでしょう。

働く意味とは

働く意味

結局、「働く」とは人間の本能であり、生き甲斐です。それが無ければ退屈な人生になってしまうでしょう。そして、仕事とは「お金を得る手段」であると同時に「大切にする価値観」を経験する機会ということになるのかもしれません。

自分が仕事においてどんな価値観を求めているのか、「大切にする価値観」をはっきりさせておくことは「働く意味」を見いだす上で役に立ちます。

この価値観は時間が経てば変化していくのが普通なので、時折見直してみることも必要です。例えば、20代の若いうちは社会的交流性や冒険を追い求め、30〜40代になると経済的報酬や能力の活用を意識し、50〜60代になって来ると愛他性や環境に目を向けるなどはよく見られる傾向です。

「働く意味」を見出したいなら、お金を稼ぐだけの単なる労働を越え、仕事そのものから大きな喜びや充実感を得られるものに自ら変えていくしかありません!求めるものでなく創り出していくのです。

ここでは、こう結論づけます。

「働く意味」とは、「お金を稼ぐ手段であると同時に、働くことでしか味わうことのできない人生の充実感を味わうためのものである。」

※本記事を書くにあたっては「働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。」「プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか(自己実現編)」「働く幸せ~仕事でいちばん大切なこと~」「14歳からの哲学 考えるための教科書」を参考にさせていただきました。

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