「足るを知る」の意味は欠乏ベースの生き方からの脱却

「足るを知る」という言葉があります。

語源は、老子(ろうし:中国の思想家)の「知足者富」という言葉です。
── 足るを知る者は富む、という意味です。

「富む」といってもお金持ちになると言う意味ではなく、幸せになれると言う方がイメージに近いでしょう。

── 足るを知る人は幸せになれる。

では、「足るを知る」とはどういう意味でしょう?

「無いもの」「不足しているもの」に注目するのではなく、「足りてるもの」「すでにあるもの」に注目するという意味です。

そうすれば幸せになれると老子は説いたのです。

下記でさらに詳しく解説していきます。

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目次

老子の説く苦しみの原因

あふれるモノと情報は、常に私たちの欲望を刺激します。
テレビやSNSの中の誰かはとびきり幸せそうに輝いて見えます。

私たちは得てして、自分が持っていないものを欲しがり、自分以外の誰かに憧れてしまいます。
「アレを手に入れたい」「あの人のようになりたい」と、どこかでそう強く感じています。

しかし、現実は思ったようにうまくいかない。そして、ふと自分自身に目を向けてみると足りないものばかり…… 。

そうして、私たちは常に欠乏感を意識しながら暮らしているといっても過言ではありません。

「もっともっと…」「まだ足りない…」というわけです。

多くの苦しみはそうした「足らぬ」ものに注目し必要以上に欲しがる心が原因だ、と老子は言うのです。 

自分が持っていないものを欲しがり、自分以外の何者かになろうとする。
そうした生き方をする限り苦しみは消えない、と。 

感謝ベースで生きていく

そうした不要な欲望や苦しみは捨て、自分がすでに持っているものに注目する生き方を選択すること。

それが「足るを知る」の真の意味です。

もちろん、上を目指したり努力するのを諦めろと言っている訳ではありません。
この言葉を諦めの言い訳に使ってはいけません。

無いものに憧れるのではなく、自分の持って生まれた天分や才能を十分活かして生きなさい、ということ。 

それは生きていく自分の立ち位置の微調整。
足りてるものに注目すれば、そこに感謝が生まれます。
そこから始める。

「欠乏」をベースとした生き方から「感謝」をベースにした生き方への転換です。

足るを知る者は富む

あれもこれも足りないという「欠乏ベース」の生き方から、自分が持っている天分や才能に感謝しそれを活かす「感謝ベース」の生き方に転換したらどうなるでしょうか?

きっとその人は間違いなく”富む”でしょう。

「感謝ベース」の生き方をすれば、心豊かで満ち足りた毎日が送れます。
それはやがて、人間関係や仕事の成果にも良い影響を与えるでしょう。

結局、「足るを知る者は富む」というわけです。

最後に

老子の思想は、物質社会や競争に疲れた時や違和感を感じた時に効く思想です。
「足るを知る」という言葉もやはりそんな時に思い出したい言葉です。

この考え方は、禅やミニマリストといった思想にもつながっていきます。

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