わかっていても行動できない理由
〜爬虫類脳、哺乳類脳、人間脳

やらなきゃいけないと頭ではわかっているけど、どうしても行動できない……。

そんな経験はきっと誰にだってあるはずです。
例えば次のようなことです。

もう起きなきゃいけないけどまだ寝ていたい……。
ダイエットのために運動しなきゃいけないけど面倒臭い……。
勉強しないといけないのにどうしても気持ちが乗らない……。

まるで頭と心が全く逆の方向を向いているかのようです。

その時、一体私たちに何が起こっているのでしょうか?

この件に関しては、人間の脳の働きを理解すると謎が解けます。

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目次

三つの脳の働き

まず、人間の脳というのは、三層構造になっていて、それぞれが異なった働きをしていると言われます。

これら三つの脳は、人間が進化の過程で獲得してきたと考えられています。

つまり、「爬虫類⇒哺乳類⇒人間」という進化に伴って、より高度な脳の機能を獲得してきたということです。
そしてその順番に、爬虫類脳の上に哺乳類原脳、さらにその上に人間脳がかぶさった「三位一体脳」が人間の脳であるというのです。

では、それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。

爬虫類脳(反射脳)

爬虫類脳は最も古い脳とされ、生命の維持に関わる機能をつかさどっています。
例えば、呼吸する、体温を維持するといった、無意識のうちに行われている生命維持活動はこの爬虫類脳によるものです。

また、身の危険を感じた時などに体が反射的に反応するのも、生命を維持しようとするこの爬虫類脳の領域です。

爬虫類脳は、生命維持の観点から私たちを最も深い層から動かします。
特徴は、反射的な防衛本能です。

哺乳類脳(情動脳)

哺乳類脳は、快・不快などを感じる機能をつかさどっています。
そのため「情動脳」などと呼ばれることもあります。

人間には、「快を求め・不快を避ける」という根本原理がありますが、これは哺乳類脳の領域です。 

哺乳類脳は、快・不快の観点から感情を通して私たちを動かします。

人間脳(理性脳)

人間脳は、物事を論理的に物事を考える機能をつかさどっています。
未来思考で、論理的に正しい答えを導き出すことなどができます。

人間脳は、論理・思考によって私たちをコントロールしようとします。

三つの脳の相互作用

そして、この三つの脳の働きは相互作用しながら私たちを動かしますが、その力関係は次のようになります。

人間脳 < 哺乳類脳 < 爬虫類脳

つまり、爬虫類脳が最も強い意思決定権を握っています。
確かに、身に危険が迫ったら、あれこれ考える前に体が反射的に反応します。
頭で考えてから行動したのでは手遅れになるからです。

私たちは、ほとんどのことを論理的に自分の頭で考えてから行動しているつもりでいるかもしれません。
しかし、実際はこの爬虫類脳や哺乳類脳に大きな影響を受けながら生きています。

ほとんどの物事の判断は、実は「感情が反応する→理屈で後付けする」という順番で行われているのです。

たとえいくら論理的に正しくても、本能や感情が拒否するものは受け入れられないのです。 

頭ではわかっていても行動できない原因が見えてきたでしょうか?

── そうです。わかっていても行動できない時は、人間脳と爬虫類脳もしくは哺乳類脳との間の対立が起こっているのです。

論理的にいくら正しくても、感情や本能が嫌だと言っているわけです。 

人間脳は、「良い悪い」や「損得」などで物事を判断しようとします。
しかし、哺乳類脳は「面倒臭いことは避け楽な方」へ行こうとします。

また、爬虫類脳は危険を避けようとしますから、変化を恐れ現状維持を望みます。 ここにどうしても意見の対立が起こるわけです。 

成功への道

しかし、この葛藤をうまく乗り越えられた人が人生で成功を納めていくといっても過言ではありません。

人間脳が哺乳類脳や爬虫類脳をうまくコントロールできれば、成功への道が大きく開けます。

逆に、この葛藤を乗り越えられないと、短略的で惰性的な人生を送ることになってしまうかもしれません。

人間脳で哺乳類脳や爬虫類脳をうまくコントロールしていくための方法は、まず人間というものについてよく知ることです。
その上でその人間が持つ性質を効果的に使っていく術を身に付けることです。

精神力だけで、本能や感情を押さえつけるのは簡単なことではありません。

人間について知るための具体的な方法は、このサイトにもたくさん掲載してあります。
例えば当サイトの「モチベーションを上げる方法」などの記事を読んでもらえれば、人間についてかなり理解は進むはずです。

あとはそれをどう実践していくかということになります。

人間は習慣の生き物です。
そして習慣は繰り返すことで獲得されます。

人間脳を活用して好ましい習慣を獲得できれば、動物脳はそれを”快”と捉えどんどんやらせようとしますし爬虫類脳もそれを止めることはありません。

ヒトの脳には、ワニ(爬虫類脳)とウマ(哺乳類脳)が住んでいる ── 。

三位一体脳モデル」を提唱したポール・マクリーン博士は言います。
自分の中のワニとウマを上手に飼い馴らしていく術を身につけていきましょう。


カテゴリ モチベーションコラム
 タグ  脳科学

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