ストックホルム症候群
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ストックホルム症候群〜人質が犯人に好意を抱くワケ


以下画像引用:The Norrmalmstorg Robbery

ストックホルム症候群(Stockholm syndrome)とは、誘拐事件や監禁事件などの被害者が、加害者である犯人に対して好意的な感情を抱くことを指します。

1973年8月、スウェーデンのストックホルムで発生した銀行強盗事件(ノルマルム広場強盗事件)によって、その現象が明らかになり名前の由来ともなりました。

極限状態に置かれた時の人間の心理というものについて、色々と考えさせられる事件です。

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ノルマルム広場強盗事件

その事件は、1973年8月23日に発生しました。

刑務所から仮釈放中だったジャンエリック・オルソンは、サブマシンガンを持ちストックホルム中心部の銀行に押し入った。
女性3人、男性1人を人質として銀行に立てこもる。
そして、友人であり銀行強盗の罪で服役中だったクラーク・オロフソンの解放を要求。
警察はこの要求を呑み、合流を許す。
しかし、銀行を完全に封鎖し、食料の提供も拒否。
事件発生から4日目の8月27日、警察は「投降しなければ最終手段を取る」と最後通告。
その翌日、人質の一人である女性行員から首相宛に電話があり、警察に対する不満や犯人たちを擁護する内容を伝える。
同日夜、警察は催眠ガスを使用し犯人逮捕。
人質も無事だった。

しかし、人質たちは事件後も犯人をかばい、警察の捜査に対して非協力的な姿勢を取った。
また、立てこもりの間、人質たちは犯人に協力し、自ら警察に銃を向けるなどの行為をしていたことが、後に明らかになった。


人質の様子


オルソン逮捕の様子


銀行内の様子

人質の心境の変化

この事件において、最初は脅されていた人質たちも、しばらく経つと恐怖が複雑な感情に変わっていくことが明らかにされました。

その心理的変化の過程は次のようなものです。

人質は、捕らえられた段階で突然非日常的な空間に置かれ、話す・食べる・トイレに行くなどの全ての自由を奪われます。
その後、それらを犯人から与えられるようになります。
するとそれを受け取る際に、どこか幼児のときの母親に対する感覚のようなものを抱くのだと言います。

ストックホルム症候群という言葉を生んだ米国の精神科医フランク・オッシュバーグ氏によれば、ストックホルム症候群には3つの要素があるといいます。

事件後、懲役10年の判決を受けた犯人のオルソンは、その後タイに移住。 なんと、そこへ当時の人質2人が訪ねてきたこともあったそうです。
非日常空間で芽生えた奇妙な連帯感というものが、数十年経っても変わらなかったということのようです。

人間の心理というものは常識では推し量れません。 しかし、彼らの心理も理解できます。
きっと私もその状況に置かれたらそういう心境になるでしょう。

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同様の事件

ストックホルム症候群は、他にも多数の事件で確認されています。 有名なものでは次のものがあります。

よど号ハイジャック事件(1970年)

ハイジャック3日目になると、機内では乗客の1人が「北帰行」を歌って犯人を激励、それに対して犯人が革命歌「インターナショナル」を歌い、乗客たちが手拍子を取って一緒に歌うなど、乗客と犯人には奇妙な連帯感があったと言います。
ある乗客は飛行機を降りる時に「頑張って下さい」と言って犯人を激励した。
乗客の1人は「生きるも死ぬも皆が同じ運命にあるという意識から生じたストックホルム症候群という敵味方の一体感に一同が酔ったといえるのかもしれない」と後に述べています。

パトリシア・ハースト事件(1974年)

アメリカの新聞王ハーストの孫娘パトリシア(当時19歳)は、婚約者と住むアパートから誘拐された。その後犯行グループとともにライフル銃を持って銀行強盗を行なっている様子が防犯カメラに写る。
「死を恐れず最後まで戦う」などの声明を発表。約1年後に逮捕。


画像引用:Wikipedia

三菱銀行人質事件(1979年)

人質となった女性行員たちから、警察に対し何度も余計なことをしないでほしいという抗議の電話がある。また、見張りに立たされた行員は犯人に対して警察の動向を積極的に報告していたという。

まとめ

ストックホルム症候群は、閉鎖された空間の中で必死に生きようとする人間の生存本能の働きであったり、極限状態で芽生える連帯感といったものが、絡まり合って生まれてくる心理的な現象なのだと思います。

きっと人間とはそういうものですから、今後も監禁や立てこもり事件の際には、同様の現象が起こるでしょう。

人間というものを考える上では、とても興味深い事件です。

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