「アート × サイエンス × クラフト」のリバランスが求められる時代

経営というものは「アート」「サイエンス」「クラフト」の混ざり合ったものだといいます。

この三つの要素のバランスと組み合わせ方によって意思決定のクオリティは大きく変わるのだそうです。

もともと日本企業は「クラフト」型、つまり過去の経験則を重視した経営をしてきたけれど、近年は「サイエンス」型、つまりデータや論理が重視されるようになっていた。

ワンマン社長が自分の経験則で意思決定してトップダウンで経営していた時代から、データによる分析や裏付けをもとにした論理的意思決定が重視される時代に移っていたわけです。

しかし、現在のような不安定で不確実な時代においては、データや論理に軸足をおいた「サイエンス重視の意思決定」ではもう乗り切れなくなってきた。

いくら分析しても答えが出せないからです。
ましてや、過去の延長線上でない新しい時代においては過去の経験則など全くあてになりません。

そこで「大事になってくるのはアート」、つまり美意識や哲学といったものから生み出される直観です。
クリエイティビティや創造力という言葉の方がイメージしやすいかもしれません。

外の世界をいくら探したところで正解は見出せないのですから、自分の内側からくる直観や創造力に答えを求めるしかないわけです。
目に見える論理でなく、目には見えない感性こそが大事な時代になってきたのです。

論理的には説明つかなくても、自分の内側から湧いてくる何かが「正しい」と言っているのならそれにしたがっていくということです。

近年、脇に追いやられてきたそうした「アート」型の感性こそ、意思決定の中心になるべき時代がやってきたのです。

世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」(山口 周[著] )には、理想的な経営のガバナンスの姿として次のように記されていました。

「アート」は創造性を後押しし、社会の展望を直感し、ステークホルダーをワクワクさせるようなビジョンを生み出します。「サイエンス」は体型的な分析や評価を通じてアートが生み出した予想やビジョンに現実的な裏付けを与えます。そして「クラフト」は、地に足のついた経験や知識をもとにアートが生み出したビジョンを現実化するための実行力を生み出していきます。

「アート × サイエンス × クラフト」のリバランスが求められる時代が到来したというわけです。

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個人レベルでも求められるリバランス

これは何も企業経営だけの話ではありません。
個人個人も自分の人生の経営者だと考えれば、これと全く同じことが言えます。

過去の経験則や損得勘定だけで自分の人生を計画していると、今の時代は乗り切れないかもしれません。

自分の人生をもっとクリエイティブにつくり上げていくことが求められています。

人生における美意識や哲学が必要なのです。

先ほど紹介した本のタイトルはまさに「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」でしたが、こうした時代を見越して世界のエリートたちは自分の感性や美意識を磨いています。

私たちももっと、自分の感性や美意識に目を向ける必要があるでしょう。

抑圧された自分の中のアーティスト

ちなみに、コーチングはまさにその人の中の「アート」の部分に光を当て、そこから生み出されるものに人生の主導権を与えていこうとする試みです。

ほとんどの人は、これまで自分の中の「アーティスト」を過度に抑圧して生きてきました。
これからはその自分の中の「アーティスト」を解放していく時代です。

ただし、だからといってあなたの中の「アーティスト」に全てを委ねるのはちょっと危険かもしれません。

「アート」「サイエンス」「クラフト」、3つのバランスが大事だということはすでに述べました。

自分の人生の経営者として最適なバランスを考えていきましょう。
私たちはたいていうまくバランスが取れず偏っています。

まとめ

この辺りのことは、まさにこのサイトのテーマでもあります。
私自身の研究テーマでもあると言っても良いかもしれません。

当サイトでは、ロジカルなことから深層心理や哲学、つまりここでいう「アート」にまつわることについてもヒントとなるような情報を幅広く紹介しています。
気になった方はぜひ当サイトの記事を色々巡ってみてください。


カテゴリ モチベーションコラム
 タグ  仕事

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