正義の快楽
モチベーションアップの法則

正義の快楽

最近は、芸能人や政治家の不倫やセクハラなどの話題で相変わらず賑やかです。
テレビは朝から晩までたくさんの時間を使って盛んにそうしたスキャンダルを放送しています。
雑誌やネットもそうした情報で溢れてかえっています。
中には過激なタイトルで人の興味を惹きつけようと、いわゆるフェイクニュースすれすれのものも含まれます。 

そして、スキャンダルが報じられた有名人は一斉にバッシングの対象になります。
マスコミが大挙して押し寄せ、謝罪する様子はもうお馴染みの光景です。 

マスコミがそれだけ多くの労力をかけてスキャンダルを報じるのは、視聴率が取れるからです。
つまり、多くの視聴者はそれを観たいのです。

なぜなら、視聴者はそこに一種の快楽を感じているからです。

それまで恵まれた環境にいた人が凋落する姿を目撃することが…
正義の名のもとにルール違反を犯したものを罰することが…

その裏には陰鬱とした人間の攻撃性が潜んでいます。 日頃の生活で溜まった欲求不満をそこで解消しようとしているかのようでもあります。

実験が証明したもの

もともと人間は、そうした攻撃性を持っている生き物です。  

イギリスで行われたある実験があります。 ある映像を見た時の被験者の脳の活動を調べたものです。

その映像とは、人が殴られているシーン。 

その映像を見て、被験者の脳で活発に働いたのは島皮質(とうひしつ)という部分。
ここは不快なものを見たときに反応する場所です。 被験者は、映像を見て殴られた人の痛みに同情し不快に思ったということです。 

ところが、この映像を見せる前に次の情報を与えると脳の反応がガラリと変わります。

「殴られた人は、殴った人の家族にひどいことをした。これは罰なのだ」 

すると、島皮質の代わりに側坐核(そくざかく)という部分が働くようになりました。
側坐核というのは、人が快楽を得たときに活動する場所です。

つまり、人間は相手がルール違反を犯した悪い人間だと思うと、その人が痛みを受けていても同情せず、逆に快感を覚えるというわけです。

快楽のわけ

この仕組みは、人間が集団で社会を形成して生きてきたことと関係があります。
集団を維持していく上ではルールが必要であり、ルール違反を犯したものは罰せられる必要があります。

しかし、本来人間には人の痛みに同情する本能もありますから、罰を与えることを躊躇します。
その躊躇を乗り越えるため、ルール違反を罰することに快楽を感じるような機能が人間に備わったというわけです。 

いじめやリンチなどの行為は良くないと誰もが口を揃えて言うにも関わらず、世界中から決してなくなることが無いのも、こうした本能とも無関係ではなさそうです。 

正義と称し快楽を求める

ルール違反を犯したものに罰を与えることは快楽だと言いました。
快楽というのは癖になります。

また次の快楽を得る機会があれば、本能的に飛びついてしまうのです。
いや、むしろ積極的に快楽を得る機会を探すようになるでしょう。
正義を行使し罰を与える機会を求めるのです。

こうなるともう、正義を隠れ蓑として自分の快楽を得ようとしているに過ぎません。

それがエスカレートすれば、社会が殺伐として怒りのエネルギーが充満するだけでなく、やがて争いや戦争にまで発展して行きかねません。 

人間の本能は、近代の急激な社会の変化に簡単には追いつけません。
ギャップを抱えながら生きていくのが運命です。

ネットやSNSは便利な反面、私たちの暴力性や攻撃性を助長する側面を持ちます。
人間の集団は時に冷静さを欠き暴走します。
そうした時、そこには人間の心理を巧みに扇動する者の存在があります。

我々は怒りや快楽に飲み込まれず冷静さを保つ必要があります。 

正しさや正義を主張するときは、よくよく考えてみる必要があります。

マスコミはそうした人間のダークな部分を刺激して金儲けするような下劣な手段は取らないで欲しいと心から願います。

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