ホーソン実験【ざっくり1分】まとめ


1925年ごろのホーソン工場(画像出典:Wikipedia

ホーソン実験とは、従業員の能率や生産性を向上させるカギは、作業環境や労働条件よりも従業員の士気や職場の人間関係であるということを突き止めた実験。

従業員の心理が生産性に影響を与えるという発見は、その後の人間関係論研究やカウンセリングの発展に繋がっていきます。

ホーソン実験とは

ホーソン実験は、1924年〜32年にかけてシカゴ郊外にあった電話機メーカーのウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われました。

だから「ホーソン実験」と呼ばれます。

目的は、照明や休憩、作業時間などの物理的環境の変化が作業の生産性にどのような影響を及ぼすかを調べることでした。

当初は、作業環境や労働条件を変えれば生産性が高まると考えていたわけです。

しかし、実験の結果は予想に反するものになりました。
物理的な環境やインセンティブは生産性にあまり影響しなかったのです。

しかし、次のような想定外の発見がありました。

インフォーマル(非公式)組織とは、組織の中で配置された公式的なもの(フォーマル組織)とは別の、仲の良い者同士といった公式の関係から離れたものグループのこと。

つまり、従業員は作業環境やインセンティブといった物理的欲求よりも、「チームの一員として認められたい」「仲間とうまくやっていきたい」といった社会的欲求に左右され、フォーマル組織よりインフォーマル組織に影響されるということがわかったのです。

ホーソン実験の影響

この発見は、当時の常識を大きく揺るがしました。
それまでは従業員を単なるロボットのように科学的に管理することが生産性を高めると考えられていた時代です。

そこに、従業員の感情に配慮することが大事であるという実験結果が導き出されてわけです。

この実験を契機に、職場の人間関係や従業員の心理面などの研究が盛んに行われるようになりました。

もう一世紀近く前の実験ですが、いまだに学ぶべきことの多い実験です。


カテゴリ モチベーションコラム
 タグ  心理学

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