パーソナリティの形成
〜人の性格はどのように作られるのか?

人の性格や行動の特徴を表す言葉として、心理学ではパーソナリティという言葉を使います。

その人の持ち味、個性、人柄などとも言われるパーソナリティは、遺伝と環境の相互作用で変化・発達しながら形成されていくと考えられています。

ここでは、そんなパーソナリティの形成と人生の各ステージでの課題やテーマについてまとめてみました。

「私のこの性格はあの時に形成されたのか!」
── といったことに関して何かヒントがあるでしょう。

つまり、自己理解が進むはずです。また子育ての参考にもなるかもしれません。
興味がある方は読んでみてください。

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目次

乳児期

精神分析で有名なフロイトは、乳児期の育児方法がその後のパーソナリティ形成に大きな影響を及ぼすと考えました。 

といったものです。

幼児期

幼児期になると、「母親に自分の世話をしてもらう」という立場から、「自分でやってみる」という立場への転換が現れます。

母親の育児態度と子供がそれにどう応じるかによって、子供のパーソナリティ形成は異なってくると考えられています。 

サイモンズ(アメリカの心理学者)によると、子供に対して支配的な親に育てられた子供は礼儀正しく正直であるものの、自意識が強く内気な傾向が現れると言います。
また、服従型の親に育てられた子供は不従順で攻撃的であるものの、独立心が強い傾向が現れると言います。

そして、否定的に育てられた子供より保護的に育てられた子供の方が、社会的に望ましい行動が多く情緒的にも安定していたといいます。

児童期

この時期は、遊びと勉強が明確に分かれるようになります。
課題に対する義務感や責任感が養成され、課題の遂行に向けて自己を統制する訓練がなされるようになります。

教師や友人との関わりも増えるため、その関係性もパーソナリティの形成に大きな影響を及ぼすと考えられています。

教師から高い評価を受けた子供は、自信や優越感を持つようになり、低い評価を受けた子供は、失敗感や劣等感を持つようになります。

また、友人との関係は次第に複雑な関係性が生まれるようになります。

集団の中で自分の地位を確立しようとしたり、自己主張が訓練されます。
自己の役割や責任感、協調性の発達なども見られます。

このように、この時期には数多くのパーソナリティ特性が形成されていきます。

青年期

青年期は、激しい反抗や新しい価値を求めて揺れ動く不安定な時期。
11〜12歳から始まり、22〜23歳頃までが該当します。

この時期には、自分自身のパーソナリティや能力、生き方、価値観などについて疑問や嫌悪感を抱きます。

子供から大人への過渡期でもあり、それに伴い葛藤や悩みも多くなります。
性的機能の始まる時期でもあり、精神的にも不安定になりがちです。

それまでの子供としての自分から、大人としての自分へと大きな心理的変換が求められます。

この時期の中心的課題は自己概念の形成となります。

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成人期

成人期は、22~23歳以降を指すと言われています。
青年期同様、人生の転換期が存在します。

この時期に、就職、結婚、住居、生活様式の確立など、大人の世界で自分の立ち位置を明確にするいくつかの重要な選択を行うことになります。

心身ともに最盛期であると同時に、社会的な圧力も大きくストレスの多い時代でもあります。

中年期(成人後期)

ユングは40歳ぐらいから始まる中年期を「人生の午後」と呼びました。
中年期は人生の変動期でもあります。

人生の前半で排除してきた自己を見つめ直し、新たな自己としてそれを取り入れることが課題となります。

約80%の人が、漠然とした人生への幻滅感、停滞感、圧迫感、焦燥感などの「中年の危機」を体験するといいます。

職場での立場の変化、家庭では子供の独立、育児を終えた夫婦関係、親の介護などで変化が求められる時期です。

老年期

社会の中での役割がだんだん果たせなくなります。

以前からの習慣や考え方を重視する傾向が強くなり、自己中心的傾向が現れてくる傾向があります。

過去に多くの関心が向けられるようになるため、愚痴と自慢が出やすくなるという特徴もあります。

老年期の心理的・社会的不安の問題の多くは、死に対する不安が根幹にあるといわれます。
老年期は発達の最終段階であり、愛に満ち円熟した精神状態に達することが課題となります。

まとめ

このように人は、遺伝と環境の相互作用の中で自身のパーソナリティを再構築しながら成長していきます。

幼い頃に獲得したパーソナリティは後々まで尾を引きますが、パーソナリティは大人になってからも再構築を繰り返します。

いつまでも子供の頃から成長しない人もいれば、年を重ねるごとに大きく成熟する人もいますが、それは何処かのタイミングで望ましいパーソナリティの再構築を行ったかどうかの差によるものです。

何かの参考までに。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  心理学

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