あなたを突き動かす心の中の5つの声
〜TA(交流分析)のドライバーとは?

あなたにもきっと経験があるはずです、次のようなことが。

「他人から自分の間違いを指摘されひどく動揺する」
「休日なのになぜか気持ちが休まらない」
「いつも他人ばかり優先して自分を犠牲にしてしまう」
「手際が悪い人を見るとイライラする」
「自分の弱みを素直に見せられない」

そんな時、自分の中の潜む自分に厳しく当たるもう一人の自分の存在に気づくかもしれません。

あなたを急かすもう一人の自分。
内側からあなたを駆り立てるもう一人の自分です。

そんな厳しい自分に苦しんでいるのなら、このページを最後まで読んでみてください。
そこから解放されるヒントがTA(交流分析)という心理学にあります。

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目次

ドライバーとは?

私たちを急き立て、内側から突き動かす声を、TA(交流分析)ではドライバーと呼びます。それは次の5つの声です。

⑴「完璧であれ」(Be perfect)
⑵「一生懸命やれ」(Try hard)
⑶「他人を喜ばせよ」(Please others)
⑷「強くあれ」(Be strong)
⑸「急げ」(Hurry up) 

私たちは、これらの声に内側から急き立てられているのです。

あなたを息苦しくさせていたものの正体

これまであなたが「ありのままの自分」を許すことができず、ずっと何かに急き立てられるように頑張ってきたのなら、その裏にはこうしたドライバーの声が存在していたのかもしれません。

ドライバーは「現状」を否定し「ありのままのあなた」も否定し、決して至ることのない理想の未来へとあなたを常に駆り立てます。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
しかし、強くなりすぎると問題が生じます。

それにより、自己嫌悪に陥ったり自分を苦しめてしまうことになるからです。

強すぎるドライバーの声に苦しんでいるなら、その声から自分を解放してあげる必要があります。

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ドライバーはこうして作られる

これらの声の形成過程は次のようなものです。

幼いあなたは、大人たちから色々なことを禁止されていくうちに、あなた自身を否定する(禁止する)メッセージを受け取ってしまいます。

そしてそれによって「ありのままの自分ではOKではないのだ」と思い込んでしまうのです。

そこで、大人たちからOKがもらえそうな脚本を書き、それに従って行動するようになります。

「○○な私ならOKだよね?」というわけです。

「何でも完璧にやる私ならOKだよね?」
「一生懸命やってる私ならOKだよね?」
「他人を喜ばせている私ならOKだよね?」
「強い私ならOKだよね?」
「のろまじゃない私ならOKだよね?」

……とそんな感じです。

ただし、これらは全て「条件付きOK」であるため、条件を満たさないと「Not OK(私はダメ)」に戻ってしまいます。

これにより、今でもあなたは無意識に「Not OK」を恐れ、子供の頃の脚本通りに振舞おうとしてしまうというわけです。

この脚本を言葉にしたのがドライバーです。
ドライバーの裏には「それができなければ私には価値はない」という無意識の思い込みがこびりついていて、それが私たちを脅かしています。

したがって、私たちは大人になっても常に内側からドライバーに急き立てられ、その声に従おうとしてしまうのです。

あなたを突き動かすドライバーは?

あなたを最も突き動かすドライバーはどれでしょうか?

⑴「完璧であれ」(Be perfect)

「完璧でなければ(失敗したら)I'm Not OK」と思い込んでいる。
失敗を許容できない。自分の失敗を極度に恐れる。

⑵「一生懸命やれ」(Try hard)

「頑張る自分でなければI'm Not OK」と思い込んでいる。
結果より頑張る自分でいることが目的となる。
寝ないで頑張る、身体を壊すまでば頑張るのを美徳とするようなところがある。

⑶「他人を喜ばせよ」(Please others)

「他人に尽くす自分でなければI'm Not OK」と思い込んでいる。
常に他人を優先し自分を犠牲にすることを良しとしている。
置き去りにされるのを恐れる。

⑷「強くあれ」(Be strong)

「自分の弱みを見せたらI'm Not OK」と思い込んでいる。
能力の証明に躍起になる。
内心は狼狽していても平静を保っているように見せる。

⑸「急げ」(Hurry up)

「ゆっくりやるのはI'm Not OK」と思い込んでいる。
なんでも急いでやってしまう。
他人も急かすクセがあり、口を挟んだり、「用意できた?さぁ行こう」とさっさと出て行こうとする。

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ドライバーから解放される方法

ドライバーから解放されるためには、自分の中にある無意識の思い込みを解除してあげる必要があります。
自分で言葉に出したりして次のように自分を許すことが必要です。

⑴「完璧であれ」→
「ありのままでいい」「完璧でなくてもいい」「失敗してもOK」

⑵「一生懸命やれ」→
「疲れたら休んでいい」「無理しなくてもいい」

⑶「他人を喜ばせよ」→
「自分を喜ばせてもいい」「自分で判断してもいい」「嫌われてもいい」

⑷「強くあれ」→
「人に頼ってもいい」「弱さをさらけ出してもいい」

⑸「急げ」→
「ゆっくりでいい」「急がなくていい」「自分のペースでいい」

許可することで楽になる

ここまで読んでどうだったでしょうか?

きっと、知らず知らずのうちに自分の中のドライバーに駆り立てられ、息苦しい思いをしていたことに気づいた人も多かったのではないでしょうか?

まずはその正体を知ることが、そこから解放されるスタートになります。 

想像してみてください。
自分の強すぎるドライバーに気づき、そこから解放されたらどれだけ楽になるか。

どれだけ伸び伸びと自分らしく生きていくことができるようになるか。

あなたは完璧でなくても良いのです。
そもそも人間に完璧な人などいません。

息苦しさを感じていた人は、そろそろ自分に許可を出してあげましょう。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  心理学

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