ブラックエンジンとホワイトエンジン
〜モチベーションを生み出す2つの動機

ブラックエンジンとホワイトエンジン

人のモチベーションを生み出すの源には、全く違う次の2つのエンジンがあると言われています。
それが「ブラックエンジン」と「ホワイトエンジン」です。

「ブラックエンジン」とは、恐れや不安などから来る動機のこと。
「ホワイトエンジン」とは、感謝や貢献、信頼からくる動機のこと。

大きな成功を収めた人たちは、この2つの動機を上手に活用しています。
以下で詳しく解説していきます。

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目次

ブラックエンジンとは?

「ブラックエンジン」とは、恐れや不安などから来る動機のこと。

「このままでは会社をクビになって生活できなくなる」「失敗したら恥をかいてしまうかもしれない」といったものです。

恐怖や危機感から発生する動機と言っても良いでしょう。

モチベーションの源としては少し息苦しい感じで、イメージとしては全身に力を入れて踏ん張って一生懸命走っているような感じです。

もちろん、これが動機として悪いものというわけではありません。
危機を脱するために絶対に必要なものです。

ただし、ずっとこれを続けていると「ガス欠」になって動けなくなってしまうことがあります。

ブラックエンジンでは、常に不安や恐怖に直面していて追い詰められていますからストレスがかかっています。
そのストレスに押しつぶされてしまうことがあるのです。

例えば、いわゆる「ブラック企業」と言われているような会社では、従業員の「ブラックエンジン」をフル稼働させ、それによって従業員が疲弊していく姿が容易に想像できます。

ブラックエンジンは、盲目的に突っ走ったり、他人を蹴落としてでも自分の利益を得ようという利己的な考え方にも陥りがちという特徴もあります。

ホワイトエンジンとは?

一方、「ホワイトエンジン」とは、感謝や貢献、信頼からくる動機のこと。

「お世話になったあの人のために頑張ろう」「純粋に社会や誰かの役に立ちたい」などといったものからくる動機です。

この場合は、自分自身や社会や他人のことをポジティブにとらえていて、「他人を満たすことで自分自身も満たされる」という思いの元で行動しますから、互いに満たし合うプラスの連鎖が起こりやすいといえます。

良い意味での「相互依存」「助け合い」「共生」という感じです。

この辺りは、限られたパイを奪い合うような「ブラックエンジン」とだいぶ違います。

ディズニーランドのような会社では「ホワイトエンジン」がいたるところで稼働しているイメージがあります。

簡単ではありませんが、ビジネスでもスポーツの世界でも本当に強い組織やチームはこうした「ホワイトエンジン」がベースになっているものです。

最近は社会起業やボランティアなども盛んになってきていますが、それらも基本的には「ホワイトエンジン」から来るモチベーションです。

イメージとしては、程よくリラックスしていて気持ち良くしなやかな感じです。

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ブラックエンジンが悪いわけではない

人のモチベーションはこれら2つの動機をもとに生み出されると言われていますが、こう書くと、「ホワイトエンジン」は良くて「ブラックエンジン」は悪いもののように感じるかもしれません。

ですが、必ずしもどちらが良いというわけではありません。

「ブラックエンジン」は爆発的なパワーも持っていることがありますし、場合によってはこちらの力が必要になってきます。

たとえば、人間ですから人生においてピンチや苦境に立たされることは何度もあるでしょう。
そんな時に力を発揮してくれるのは「ブラックエンジン」です。

しかし、ずっと「ブラックエンジン」だけを作動させ続けていると色々なところに悪影響が出てきます

ずっと力んでいれば自分自身も疲れ切ってしまいますし、前述したように「盲目的で利己的」にもなりやすいですから、人のことを顧みずに「もっともっと」とどんどん突き進んでしまうこともあります。

人間は社会的な生き物ですから、結局のところ一人では持続的な成功することはおろか、本当の幸せを感じることはできないものです。

2つのエンジンがあることを理解してうまく動かす

あなたは普段どちらのエンジンを作動させていることが多いでしょうか?

どちらかのエンジンしか、特に「ブラックエンジン」しか作動していない人も多いのではないでしょうか。

当然です。

現実社会の中では「恐れや不安」をあおるメッセージで溢れていて、そんな中で「ホワイトエンジン」を作動させるのは簡単ではないからです。

また、中にはどちらのエンジンも作動していないような人もいるかもしれません。

ずっと「ブラックエンジン」を作動させてきたからガソリン切れになりかけている人もいるかもしれません。

そんな時は、自分の「ホワイトエンジン」のキーをひねってみてください。

最初はなかなかうまく動かないかもしれません。
長年使っていないとエンジンが温まるまでに時間がかかることもあるからです。

でも大丈夫。

この「ホワイトエンジン」は誰にでも搭載されていて、使っていればうまく動き始めます。

「ブラックエンジン」を動かすために必要なガソリンが「恐れや不安」であるとするなら、「ホワイトエンジン」を動かすために必要なガソリンは「感謝や信頼」です。

是非自分の「ホワイトエンジン」にガソリンを注いでみてください。
そして、うまく使えるようにアレコレ工夫してみてください。

「ブラックエンジン」とは違ったモチベーションが湧いてくるのを感じられるはずです。

「ブラックエンジン」から「ホワイトエンジン」への乗り換えが持続的成功を生む

ちなみに、成功した企業や個人、実績を残したチームや選手はいつの時代でもいるものですが、その後成功を持続させることができるのは限られた人たちだけです。

そこにはこの「ブラックエンジン」と「ホワイトエンジン」が大きく作用しています。

そもそも、成功者たちの多くは持ち前のハングリー精神で成功をつかみます。
いわば「ブラックエンジン」をフル稼働させるようなものです。

脇目も振らず一心不乱に突き進んだ結果、成功を手に入れるというパターンがほとんどではないでしょうか。

ただし、「ブラックエンジン」だけでは持続的な成功は見込めません。

ここから成功を持続的なものにしていくためには周りの協力が絶対に必要ですし、自分自身のモチベーションも維持しなくていけませんから、ここからは「ホワイトエンジン」を始動させていかなくてはいけないわけです。

これができるかどうかが、持続的成功のキーポイントになります。
これができれば成功は持続しますし、できなければ成功は一時的なものとして終わるはずです。

持続的な成功をしている人や企業を見ればそれは明らかです。

必ず「ホワイトエンジン」がそのモチベーションの源にあるはずです。

ここで、「衣食足りて礼節を知る」という言葉を思い出します。

「衣服と食物は、生活をする上での根本であるから、それらが満たされることによって心にもゆとりができ、礼儀を知ることができるものだ」という意味ですが、きっと多くの成功者たちもそうしたタイミングでエンジンを乗り換えたのでしょう。

二つのエンジンを巧みに使い分けて突き進んだからこそ、持続的な成功を手にしたのです。

まとめ

人のモチベーションには全く違う2つのエンジンがある。

「ブラックエンジン」とは、恐れや不安などから来る動機のこと。
「ホワイトエンジン」とは、感謝や貢献、信頼からくる動機のこと。

「ブラックエンジン」は爆発的なパワーを持っていて突破力がある。スタート時やピンチの時に役に立つ。

一方、「ホワイトエンジン」は流れに乗って遥か遠くまで到達できる。持続的な成功をもたらすのに役立つ。

2つのエンジンを巧みに使い分けていくことで大きな成功に結びつく。

そもそもこれらはモチベーションであって、それをどこに向けてどのように使うかが大事だね。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  心理学

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