ピグマリオン効果

ピグマリオン効果は、1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」という主張。

興味深い実験結果

ある実験で、「成績の優秀な生徒達を集めたクラス」と「成績の悪い生徒達を集めたクラス」を作り、それぞれのクラスの担任に逆のことを言ってクラスを担当させます。

つまり、「成績の良い生徒のクラス」の担任には「あなたが担当するクラスは成績の悪い生徒のクラス」だと告げ、「成績の悪い生徒のクラス」の担任には「あなたの担当するクラスは成績の良い生徒のクラス」だと告げて、それぞれクラスを担当させるという実験です。

その結果、「もともと成績の良かった生徒達のクラス」の成績は下がり、「もともと成績の悪かった生徒達のクラス」の成績は上がりました。

このことから、期待と成果の相関関係について、「人は期待されたとおりの成果を出す傾向がある」という結論が導かれました。

生徒たちは自分にかけられる期待を敏感に感じて、その通りの成果を出したというわけです。

ウソのない期待がモチベーションをもたらす

担任と生徒イメージ「君たちは優秀な生徒だ。成績はもっと伸びる。」と本気で応援してもらった生徒と、「お前たちは落ちこぼれだ。どうせ次のテストもダメだろう」などと諦められた生徒ではモチベーションも成績も大きく違ってくるのは当然のことでしょう。

上記の実験では、担任の言動にここまで大きな差はなかったと思われますが、生徒はこういったメッセージを敏感に受け取ったのだと思われます。

コミュニケーションにおいては、「言葉以外の非言語な要素で話し手の93%の印象が決まってしまう」と言われています。
言葉よりもそれ以外(表情、しぐさ、視線、声の質、テンポなど)の部分により大きな影響を受けるということです。

成績を上げた生徒たちは担任の言葉だけでなく態度からも嘘のない期待を読み取り、それに動かされた。

逆に成績を下げた生徒たちは、担任の言葉や態度からあまり期待されていないことを読み取った。
そして「あれ?僕(私)って本当はダメな生徒だったのかも?」と自分自身の能力に疑念を抱くようになり、成績も下げてしまったということになったのでしょう。


カテゴリ モチベーション理論
 タグ  心理学

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